基本的な使用例

以下のプログラムは、Reflect.construct() を使用してオブジェクトを作成する基本的な例です。

function Person(name) {
  this.name = name;
}

// new演算子を使用する場合
const person1 = new Person('Alice');

// Reflect.constructを使用する場合
const person2 = Reflect.construct(Person, ['Bob']);

console.log(person1.name); // "Alice"
console.log(person2.name); // "Bob"

このプログラムでは、Reflect.construct() を使用して Person コンストラクタを呼び出し、新しい Person オブジェクトを作成しています。結果は new 演算子を使用した場合と同じです。

newTarget パラメータを使用した例

以下のプログラムは、newTarget パラメータを使用してプロトタイプチェーンを操作する例です。

function Person(name) {
  this.name = name;
}

function Employee(name, title) {
  Person.call(this, name);
  this.title = title;
}

Employee.prototype.getRole = function() {
  return this.title;
};

// Person コンストラクタを呼び出すが、Employee のプロトタイプを使用
const person = Reflect.construct(Person, ['John'], Employee);

console.log(person instanceof Person); // false
console.log(person instanceof Employee); // true
console.log(person.name); // "John"
console.log(person.getRole); // [Function]

このプログラムでは、Reflect.construct() を使用して Person コンストラクタを呼び出していますが、newTarget パラメータに Employee を指定しています。これにより、作成されたオブジェクトは Employee.prototype を継承しています。

組み込みオブジェクトの構築例

以下のプログラムは、Reflect.construct() を使用して組み込みオブジェクトを構築する例です。

// 配列を作成
const array = Reflect.construct(Array, [1, 2, 3]);
console.log(array); // [1, 2, 3]

// 日付オブジェクトを作成
const date = Reflect.construct(Date, [2023, 0, 1]); // 2023年1月1日
console.log(date.getFullYear()); // 2023

// 正規表現オブジェクトを作成
const regex = Reflect.construct(RegExp, ['^hello', 'i']);
console.log(regex.test('Hello World')); // true

このプログラムでは、Reflect.construct() を使用して Array、Date、RegExp などの組み込みコンストラクタを呼び出し、新しいオブジェクトを作成しています。

注意点

• コンストラクタ関数: target パラメータはコンストラクタ関数である必要があります。そうでない場合は TypeError が発生します。
• new.target: newTarget パラメータを指定すると、コンストラクタ内の new.target の値が変更されます。
• プロキシ連携: Reflect.construct() は Proxy の construct トラップと連携するために設計されています。
• ES2015+: このメソッドは ECMAScript 2015 (ES6) で導入されました。